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「サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-」

老舗光学機器メーカー・オリンパスの粉飾決算事件を斬る!

「見えない障壁」があぶり出すムラ社会・日本の愚鈍と愚直

監督・編集:山本兵衛
企画:チームオクヤマ
配給・宣伝:太秦
公開:2018年5月19日よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開
公式HP:https://samurai2018.com

ストーリー】
老舗光学機器メーカー・オリンパス新社長にトム・ウッドフォードが就任して3カ月、彼は雑誌FACTAの記事により、会社には自分の知らない不透明な会計処理があることを知る。全力を挙げて真相解明と事態解決に動こうとするが、社内は前社長である菊川剛会長を軸に、何も語ろうとしない。日本独特の組織愛が、ウッドフォードの前に「見えない壁」となって立ちはだかる。

【みどころ】
無関係な債務超過の会社を、700億円も投じて買収したことが露見して事件化したオリンパス粉飾決算。当時、前任者の背任行為を酷しく糾弾する外人社長にばかり焦点が当てられ、全貌解明よりもその解任劇が大きく報道された感がある。真実はどこにあるかより、「組織の裏切り者」に注目する人々。内部の異論がいかに潰されやすいかは、昨年から大問題となっている加計・森友問題、相撲やレスリング協会の紛糾、セクハラ告発も根は同じではないか。オリンパスの「粉飾」に手を染めた役員の中に、私腹を肥やした人間は一人もいなかったという。日本は「ムラ」を維持するためなら真実に背を向ける、愚鈍で愚直なDNAに満ちているのだ。

【初出:Wife383号 2018年5月 文/仲野マリ

 

「見てから読む」ならこの1冊!
 「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(山口義正著、講談社刊)

日本の「闇」がよく見える
上記映画はマイケル・ウッドフォード著「解任」(早川書房)とチームFACTA著「オリンパス症候群」(平凡社)、 そして山口義正著「サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件」(講談社)を参考文献としている。山口氏はフリー のジャーナリストとして巨大企業と日本のマスコミの事なかれ体質に、孤独な戦いを挑んでオリンパス事件報道の端緒を開いた。映画を見てから本書を読むと、オリンパス事件の全貌がより鮮明になる。

 

「ちはやふる-結び-」

「焼肉ドラゴン」

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