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「焼肉ドラゴン」

Ⓒ2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

”昭和の在日”を生き抜く! そのエネルギーと希望

脚本・監督:鄭 義信
配給:KADOKAWA ファントム・フィルム
公開: 6月22日(金)より全国ロードショー
公式サイト:http://yakinikudragon.com/

【ストーリー】
時代は日本が高度経済成長期を迎える1970年。関西の地方都市の集落で、小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む龍吉(キム・サンホ)は、戦争で左腕を失い、故郷を出て日本で暮らす。家族は妻の英順(イ・ジョンウン)と、長女の静花(真木よう子)、次女の梨花(井上真央)、三女の美花(桜庭ななみ)、末っ子時生(大江晋平)の6人。しっかり者の静花は店を手伝い、梨花は静花の幼馴染・哲男(大泉洋)との結婚を控え、美花は歌手になるのを夢見てナイトクラブで働く。店にはいつも常連客が集まっては騒ぎ、変わらぬ毎日が続くかと思われたが、時生の学校生活や集落の立ち退き問題が一家に大きな変化を強いる。

【みどころ】
原作は数々の演劇賞を受賞した戯曲「焼肉ドラゴン」。脚本・演出を手がけた鄭義信氏が自ら監督を務め、映画化した。主人公の在日韓国人一家やその周辺の人々は、監督自身の生い立ちや見聞きしてきたエピソードが色濃く反映された物語になっている。そのリアルさゆえに、映画版で追加された末っ子・時生の学校生活のシーンは見ているのが辛かったが、家族みんながそれぞれ心や体に傷を負っている中でも、ユーモアを忘れず、前を向いてたくましく生きている姿に力強さを感じた。「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」という父親・龍吉の口癖が、どんな思いから生まれたものなのか。夫とはまた違う方法で子ども達を、家族を守ろうとする母親のまっすぐな愛情。小さな家族から生まれる物語の奥深さをしみじみ味わいたい。

【文/富田夏子

「サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-」

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