「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」

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音楽の革命児は「ロック・スター」だった!

~本物のヴァイオリニストがセクシー&パワフルに熱演~

監督・脚本:バーナード・ローズ
主演・製作総指揮・音楽:デイヴィッド・ギャレット
配給:アルバトロス・フィルム/クロックワークス
封切: 7月11日(金)より TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー!
公式サイト: http://paganini-movie.com/

【ストーリー】
超絶技巧を有しながら、オペラの前座に甘んじていた一介のヴァイオリニスト・パガニーニ。プライドは高く、酒と女で身を持ち崩す彼(デイヴィッド・ギャレット)の前に、ウルバーニと名乗る男(ジャレッド・ハリス)が現れる。彼はパガニーニの天才を見抜き、世紀のヴァイオリニストにすると宣言する。「愛人を殺して監獄に」「悪魔に魂を売り渡した」などウルバーニがセンセーショナルな「パガニーニ伝説」を振り撒き始めると、その評判はヨーロッパ中に轟きはじめ、満を持して臨んだミラノ公演。聴衆の期待が頂点に達したところで鳴り響いたヴァイオリンの音色は、一夜にしてパガニーニに富と名声を与えた。とはいえ、酒癖・女癖・ギャンブル癖は直らない。詐欺まがいのマッチポンプな興業を続け、酒池肉林な毎日。しかしあるとき、彼は自分の心の琴線に触れる清らかな歌声に出会う。

【みどころ】
今でこそその名を「クラシック音楽」と言うが、当時は「現代」音楽。次々と新曲を生み出し、ショパンもリストもモーツァルトも、みな「作曲家」かつ「自分の曲の演奏者」であった。そして劇場に足を運んだ観客たちは、新曲の一音を聞いただけで「キャー!」と叫ぶ。ビートルズやローリング・ストーンズのコンサートと同じだ。「今までにない」音楽は、人々を陶酔させるのである。彼らと同じ感覚を味わえるのは、とにもかくにもデイヴィッド・ギャレットのおかげ!超絶技巧の本家本元パガニーニを、現代の本物ヴァイオリニストが弾いてくれるのだから。それも、超カッコいい、セクシーなイケメン! ギャレットは一流のヴァイオリニストであるにとどまらず、俳優としてもしっかりと主演をこなし見ごたえ十分だ。もちろん、彼が音楽監督を務めているので、音の造り方に妥協がない。技巧的な部分だけがもてはやされがちだが、哀愁漂うバラッドの音色の豊かさに改めて目を開かされる。多くの作曲家がインスパイアされたパガニーニの音楽。この曲も、あの曲も「あ、知ってる!」と叫びそうになる。パガニーニの音楽がいかに人の心を動かすものか、私たちはまるでタイムスリップしたかのように体験することになる。この世でもっともスキャンダラスな音楽家と言われるパガニーニ。これまで様々な映画が作られてきたが、どちらかというと「スキャンダラス」な方向にテーマが流れがちだった。今回はそのミステリアスな部分をフィクションとして織り込みながら、史実をうまくつなげてパガニーニの音楽的側面を浮かび上がらせている。同じヴァイオリニストとして、音楽家として、ギャレットの先達へのリスペクトが、そこにある。ウルバーニが仕掛ける「宣伝」も非常に現代的。どんなに音楽が本物であっても、「ストーリー」がなければ人は食いつかなかったし、開演時間になっても現れずしびれを切らしたころに颯爽と登場するなど、計算しつくした演出もまた、彼の名声をさらに広げたことだろう。売り出すには「戦略」が必要、という部分には、一歩間違えばいつでも「佐村河内守事件」が起きる要素があることを思わずにはいられない。

【初出:仲野マリの気ままにシネマナビonline 2014年6月27日(再録に際し加筆修正)】

「her/世界でひとつの彼女」

「太秦ライムライト」

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