「エリック・クラプトン―12小節の人生―」

© BUSHBRANCH FILMS LTD 2017, ©︎Ron Pownall

赤裸々告白とアーカイブ映像で綴る、ロック&ブルースの決定版クロニクル

監督:リリ・フィニー・ザナック
配給:ポニーキャニオン/STAR CHANNEL MOVIES
提供:東北新社 映倫(PG12)
公開:11月23日(金・祝)、TOHOシネマズシャンテほか、全国ロードショー
公式HP:ericclaptonmovie.jp

【みどころ】
エリック・クラプトンと25年来の盟友であるザナック監督でなければなし得ない、至上最高の音楽ドキュメンタリー。既に鬼籍に入った大物ミュージシャンを描いたものであればともかく、クラプトンは未だ生きて活動を続けている。そのクラプトン本人が全面協力! プライベートな写真や映像をはじめ、恋愛やアルコール依存症・薬物中毒、家族をめぐる悲劇に至るまで、映像を交えながらのインタビューで繰り出される赤裸々な告白の連続には、本当に驚かされる。
しかしこの映画の真の価値は、そうした「1人の有名人の知られざる過去」といったゴシップ的要素だけでは済まされないところにある。クラプトンの音楽人生にちょっとでも関わったものならば、ありとあらゆるアーカイブ映像、音源を探し求めた功績は大きい。テレビに映るクラプトンを見て「あのギタリストいいね」というボブ・ディラン、クラプトンと最高のセッションをする若き日のアレサ・フランクリン、ビートルズのレコーディングに参加するクラプトン。他にB.B.キング、ジョージ・ハリスン、パティ・ボイド、ジミ・ヘンドリックス、ロジャー・ウォーターズ、ザ・ローリング・ストーンズ、などなど、洋楽を愛するもの垂涎のお宝映像満載。それも全部「モノホン」と来ているからたまらない!
ブルースに心酔したクラプトンが、なぜロックに舵を切ったのか、その真意を語る一言一言に、新しい音楽を作る気概と才能と苦悩を思い知らされる。エンドロールに延々と続く、各国の「Archive Researchers」の面々の地道な作業とそれを支えた情熱に、心から感謝したい。50年代から今に続く洋楽の発展と爆発の歴史が、ここにある。必見。

【初出:Wife385号 2018年11月、加筆の上公開 文/仲野マリ

「ライ麦畑で出会ったら」

「ギャングース」

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