menu

「バンクシーを盗んだ男」

© MARCO PROSERPIO 2018

壁の落書きが1億円? ストリートアートは誰のものか

監督:マルコ・プロゼルピオ
ナレーション:イギ―・ポップ
配給・宣伝:シンカ秦
公開:2018年8月4日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開
公式HP:http://banksy-movie.jp

ストーリー】
2007年、「壁」でイスラエルと分断されるパレスチナに、バンクシーの手による落書が出現した。防弾チョッキを着けたハト、手りゅう弾の代わりに花束を投げる男、瓦礫の上で嘆く女性、などなど。特にロバに身分証明書を求めるイスラエル兵の落書は物議をかもす。そしてある日、その落書きは、壁ごと切り取られた。高値で売られていったのだ。

【みどころ】
バンクシーは、世界中で風刺的な落書きを残していくストリート・アーティスト。テーマ性とセンスの良さが人気で、全英博物館にも収められるほど評価が高く、1億円以上の値がつけられるのもめずらしくない。しかし「落書き」は犯罪だ。バンクシーは正体を明かさないため、絵が売れると対価は「壁」の持主に支払われる。バンクシーは「その場所にその絵があること」「人々が無償で見られること」に意義を感じてストリートに描いているのに、アート業界は全く意に介さず。転売を重ね儲けに走る。一方、パレスチナ人はこの絵をどう見ているのか。高くそびえる分断の「壁」への思いを吐露するタクシー運転手の言葉が胸に響く。

【初出:Wife384号 2018年8月 文/仲野マリ

 

 

「スターリンの葬送狂騒曲」

「孤狼の血」

関連記事

  1. 「躍る旅人~能楽師・津村禮次郎の肖像」

    颯爽とジャンルの壁を越える老獪と柔軟と好奇心監督・撮影・編集:三宅 流 …

  2. 「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメ…

    沖縄が誇る不屈の正義漢ここにあり監督:佐古忠彦公式サイト:http:…

  3. 「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」

    学芸員の「プレゼン」が圧巻! きっとあなたも絵が好きになる監督・編集・録…

  4. 「アイ・アム・ア・コメディアン」

    ウーマン村本がお笑いネタに政治を持ち込む理由監督:日向史有制作:…

  5. 「筑波海軍航空隊」

    埋もれていた特攻の真実を集めて~「俺もあとから」と言った上官が行ったため…

  6. 「サムライと愚か者-オリンパス事件の全貌-」

    「見えない障壁」があぶり出すムラ社会・日本の愚鈍と愚直監督・編集:山本兵…

  7. 「アポロ11 完全版」

    発掘された未公開映像がリアルすぎる! 世紀の9日間を体感する生還までの90分…

  8. 「シチズンフォー」

    気骨のドキュメンタリー監督が支えたスノーデン事件の一部始終製作総指揮:ス…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. 2019年 6月 13日

PAGE TOP