女性を人間として認めさせるために
監督:松井久子
制作:「フェミニズムを生きた女たち」制作委員会
公開:1月17日(土)より渋谷シネパレスなどで公開。自主上映あり。
公式サイト:http://feminism-documentary.com/history/
【ストーリーとみどころ】
1970年8月、長野県で「第一回リブ合宿」が開催される。なぜ女であることが、こんなにも理不尽で窮屈なことなのか。そう思っていた女性たちが、北から南から、赤ん坊を連れ、幼児を連れて集結。「何を話してもいい場所がある。わかってくれる人がいる!」小さいヒュッテはあっという間にすし詰め状態となった。しかし当時のマスコミは「女性解放」を「男の全否定」としてとらえ、専ら「男勝りの」あるいは「女を捨てた」女性たちのヒステリー行動として揶揄し、興味本位で取り上げるだけ。スクリーンでは上野千鶴子氏や樋口恵子氏、「わいふ」元編集長の田中喜美子氏をはじめ、この40年の間に女性が個人として耀くために行動した多くの大先輩たちが次々と登場し、当時の光景や匂い、若かりし彼女たちの人生とともに思いを語る。現在は「ウーマンリブ」に代わって「フェミニズム」という言葉が浸透し、女性の権利を主張するのは当たり前であるが、その内容には、これから先バトンをつなぎ、解決しなくてはならないものも、たくさん詰まっている。NHKで多くの上質なドキュメンタリーをつくった故・松井やより氏が、組織内でいかに闘ってそれらを世に出して来たかの証言もあり、今、この時代に生きる私たちにも行動する勇気と覚悟をもたらす映画となっている。
【初出:Wife369号 2014年11月 文/仲野マリ】
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