「関ヶ原」

©︎2017「関ヶ原」製作委員会

天下分け目の6時間が
戦争の緊張と理不尽をあぶり出す

 監督・脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎(「関ケ原」)
配給:東宝=アスミック・エース
公開:8月26日(土)より全国ロードショー
公式サイト:http://wwwsp.sekigahara-movie.com/

【ストーリー】
慶長5年(1600年)秋、石田三成(岡田准一)は軍師とも頼む猛将・島左近(平岳大)を連れ、関ヶ原一体の地形物見に出ていた。豊臣秀吉(滝藤賢一)の死後、徳川家康(役所広司)は幼い秀頼公を無視し、勢力を伸ばす。三成は「義」を唱え、この地の戦いで一気に流れを引き戻そうと士気は高い。しかし豊臣恩顧の武将たちは次々と徳川率いる東軍へ。豊臣の血筋にあたる西軍の小早川秀秋(東出昌大)も、心揺れていた。

【みどころ】
司馬遼太郎の原作に惚れ込んだ原田監督が、25年の月日をかけて熟成した複眼の政治ドラマ・人間ドラマである。俳優陣は実力派揃い。中でも島左近を演じる平が魅力的だ。岡田扮する三成のまっすぐすぎる理想主義を支えながら、すでに瞳は悲劇を予感している。小早川の東出も、19歳で「決断」を迫られる参加中最年少武将の苦悩を、ほとばしる激情で好演。秀吉の才気と老醜を不気味に体現した滝藤や、時代劇初とは思えぬ所作と気迫で伊賀者の女・初芽を演じきった有村架純も印象深い。血まみれで命を散らす武者らと、無傷で智略を巡らす本陣の家康と。まさに戦争は老人が始め、おっちゃんが命令し、若者が死ぬ。戦争の真実がここにある。

【初出:Wife380号 2017年8月 文/仲野マリ)

「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」

「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」

関連記事

  1. 『カメラを止めるな!』

    ゾンビ撮りがゾンビに!?廃墟の中でカメラが捉えたものは...?監督・脚本・編集:上田慎一郎製…

  2. 「泣き虫しょったんの奇跡」

    35歳の“秀才”が見据える将棋盤の向こうに続く道監督:豊田利晃  配給:東京…

  3. 「カツベン!」

    サイレント映画からトーキーへ   進化する映画と弁士の気になる行方監督/脚本:周防正行脚本・…

  4. 「ちはやふる-結び-」

    迷い、あがき、たどり着く道   かるたに賭けた高校最後の夏監督:小泉徳宏 配給: 東宝 …

  5. 「駆込み女と駆出し男」

    たくましき江戸の女たちが縁切寺に賭ける第二の人生監督:原田眞人配給:松竹封切 :5月16…

  6. 「決算! 忠臣蔵」

    忠義を支えるOne Team 会計係も山あり谷あり監督・脚本:中村義洋原作:山本博文「『…

  7. 「逆光の頃」

    戻ることのない、京都で過ごした17歳の夏監督:小林啓一脚本:小林啓一配給:SPOTTED…

  8. 「イン・ザ・ヒーロー」

    アクション大好き人間に贈るスーツアクターの夢と現実監督:武 正晴脚本:水野敬也 李 鳳宇…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

最近の映画レビュー

PAGE TOP