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『グレイテスト・ショーマン』

19世紀アメリカを舞台に「伝説の興行師」の半生を描くミュージカル・エンターテイメント

エンターテイメントと恋心は外見や住む世界の壁を乗り越える

監督:マイケル・グレーシー
配給:20世紀フォックス映画
公開:2/16(金)全国順次公開
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/greatest-showman/

【ストーリー】
貧しい家に生まれ育ったP.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、幼なじみのチャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と身分違いの恋を成就させ、結婚。アイデアやひらめきを大切にするバーナムは、外見や人種、個性や身分によって世間から疎外されてきた人たちを集めることを思いつく。彼らを単なる見世物にせず、歌声や身体能力を生かしたエンターテナーとしてステージに上げ、興行は評判を呼ぶ。その後、ロンドンのショービジネス業界で成功していたフィリップ・カーライル(ザック・エフロン)をパートナーに迎え、さらなる飛躍を目指す。だが、型破りなショーには反感を持つ人々も多く、彼らの行く先には波乱が待ち受けていた。

【みどころ】
19世紀のアメリカで、当時上流階級向けの娯楽だった芝居や音楽を、革新的な方法で一般市民も楽しめるようにしていく「伝説の興行師」の半生を描いた。音楽を手掛けたのは『ラ・ラ・ランド』の作曲家コンビで、オープニングからぐっと心をつかまれる。物語の中では、2つの身分違いのラブストーリーに注目したい。1つは、主人公夫妻の夫婦愛。妻・チャリティは裕福な家庭を捨てて貧しいバーナムと一緒になり、どんな状況でも愛とユーモアを大切にして夫を支え続ける。サイドストーリーとして進行する、主人公の相棒・フィリップとブランコ曲芸師アン(ゼンディヤ)の恋物語は、もどかしくもロマンティック。上流階級出身のフィリップと、肌の色や住む世界の違うアンの恋には障害が多く、なかなか壁を乗り越えられない。空中ブランコを使った2人のデュエットシーンは、切なくて美しく、胸を締めつけられた。

【文/富田夏子

 

 

 

『ロープ/戦場の生命線』

「馬を放つ」

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