「トンネル―闇に鎖(とざ)された男」

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生存可能率ほぼゼロ!
救出活動はいつまで続けるべきか

監督:キム・ソンフン
配給:アルバトロス・フィルム
公開:5月13日よりシネマート新宿他で公開
公式サイト:http://tunnel-movie.net/

【ストーリー】
今日は娘の誕生日。ジョンス(ハ・ジョンウ)はケーキを買って仕事先から車に乗り、家路を急いでいた。トンネルに入って間もなく鳴り響く、不気味な轟音と振動。あっという間に内壁は崩落し、ジョンスは車ごと瓦礫の下に。携帯を通じたおかげで救助が始まるが、救出は絶望的。活動が長引くにつれ、ジョンスの生存を信じる妻セヒョン(ペ・ドゥナ)に対する風当たりも強くなる。そんなとき、作業員に死者が出た。(5月13日よりシネマート新宿他で公開)

【みどころ】
ペットボトルの水と娘へのケーキ、そしてFMで流れるクラシック音楽。生還を信じ、あの手この手で自らを鼓舞するジョンスの頑張りが、映画を牽引する力となっている。だがこれは、サバイバル・ストーリーであると同時に救助活動とはいかにあるべきかを問うた問題作だ。セウォル号沈没で9人、東日本大震災で2554人。行方不明者の親族は、いまでも生存を信じたいはず。永遠には続けられない捜索とどう折り合いをつけるか。現場の人間は辛い。ところが政治家は人気とりのパフォーマンスを行ったかと思えば経済優先のために政治判断。横行する手抜き工事など、韓国の世相をつぶさに取り入れる気概が、単なるクライシス映画を越えるリアリティを生んだ。

【初出・Wife379号 2017年5月 文/仲野マリ】

「スノーデン」

「ヨー・ヨー・マと旅するシルクロード」 

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