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「早春」デジタルリマスター版

デジタルリマスター版で名画を見よう! 

復活 鮮烈な映像とロックではじける美少年のエロスと絶望!

監督:イエジ―・スコリモフスキ
配給:コピアポア・フィルム
公開:1970年
デジタル・リマスター版公開:2018年1月13日
デジタル・リマスター版オフィシャルサイト:http://mermaidfilms.co.jp/deepend/

Blu-ray /DVD発売2018年3月23日

【ストーリー】
15歳のマイク(ジョン・モルダー・ブラウン)は学校を中退し、ロンドンの公衆浴場で接客係として雇用されたばかり。そこで働く23歳の美しいスーザン(ジェイン・アッシャー)に、マイクはたちまち恋心を抱くようになる。しかしスーザンには婚約者がおり、しかも別の男性とも自由におつきあいを楽しんでいる。ある日スーザンの提案で女性客を担当したマイクは、中年のブロンド女性から浴室で濃厚なセクハラを受けて逃げ出してしまう。その姿をスーザンにからかわれることで、マイクの欲情に一気に火がつく。年上の女性に恋い焦がれる少年の気持ちは、歯止めがきかないほどエスカレート。やっとのことでスーザンを抱き寄せるが、思慕は無残に砕け散ってしまう。

【みどころ】
自転車のサドルの上に一滴の血が滴り落ち広がってゆく。そこに15歳の超絶美少年マイクの顔がスクリーンいっぱいに映し出される。オープニング曲は、キャット・スティーヴンスの「But I Might Die Tonight」。ポーランド出身の鬼才イエジ―・スコリモフスキが、イギリスで撮影した作品だ。少年の抑えきれない性衝動を水色、黄色、赤を暗喩的に用いスタイリッシュに仕上げている。思わせぶりで奔放なスーザンの行動が、内気なマイクの純粋な気持ちを徐々に執着心へと導いていく。妄想と現実が交互に現れ、次第にどちらなのか区別がつかなくなりラストシーンへと誘われる。誰の心にも潜む恋愛未経験だった頃の感情をヒリヒリと思い出させ、想像を掻き立てられるだろう。予期せぬ結末には思春期特有の危うさが潜んでいる。英文タイトル『DEEP END』(抜け出せない深み)は、マイクの不器用で痛々しい心の叫びが伝わってくるようだ。アメリカと西ドイツの合作映画のため権利が分散していたが、8年がかりで遂にデジタル・リマスター版となり復活の運びとなった。

【文/花岡 薫】

「焼肉ドラゴン」

「逆光の頃」

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