「8月の家族たち」

© 2013 AUGUST OC FILMS, INC. All Rights Reserved.

「絆」と書いて「しがらみ」と読む母娘の物語

監督: ジョン・ウェルズ
配給: アスミック・エース
公開:4月18日よりTOHOシネマズシャンテ他ロードショー
公式サイト:https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/1094

【ストーリー】
父失踪の知らせを受け、実家に駆けつけた3人の娘たち。母(メリル・ストリープ)はがん治療で薬漬けの日々だが、勝気は相変わらずで毒舌全開。特に長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)とは寄ると触るとケンカが始まる。バーバラも夫と別居状態で心が落ち着かないのだ。やがて父親の遺体発見。事故なのか、自殺なのか。家族の秘密が少しずつひもとかれていく。

【みどころ】
母親を反面教師に独立しても、結婚や子育てに行き詰り、自分のやり方や価値観が揺らぐ時がないだろうか。そして「母親似」な自分に気づくことが。この物語は、仕切り屋の長女、目立たない次女、男に惚れっぽい三女の目を通し、「なりたかった自分」と「なれなかった自分」が残酷に錯綜しながら展開する。何といってもメリル・ストリープの怪物的演技に圧倒される。女の業(ごう)に負けまいとする気概と悲哀がないまぜになっている。注目したいのが次女アイビー(ジュリアン・ニコルソン)だ。実家の近くにいてくれてよかったという姉や妹たちに、「本当は自由になりたかった。2人が出て行ったからとどまるしかなかった」と、本心を吐露する場面に真実味がある。長い不在とカンチガイを超えて、アイビーも自分らしい生き方を選べると思ったときに暴露される秘密の冷酷さ。すべてを知ってもう一度最初から見たい映画である。

【初出:Wife367号 2014年5月 文/仲野マリ】

「ネイチャーnature」

「超高速!参勤交代」

関連記事

  1. 「ナチス第三の男」

    大物を殺せば戦争は終わる? 緊迫の暗殺とさらなる悲劇監督:セドリック・ヒメネス原作:…

  2. 「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」

    出版人が捨て切れぬ、作家になる夢監督・脚本:フィリップ・ファラルドー配給:ビターズ・エン…

  3. 「めぐりあう日々」

    まだ見ぬ親へのあこがれと現実監督:ウニー・ルコント配給:クレスト・インターナショナル公開…

  4. 「スワン・ソング」

    ゲイカルチャーに乾杯!~老いてなお、自分らしく生きる~監督・脚本・プロデューサー:トッド・ス…

  5. 「ラスト・ナイツ」

    「忠臣蔵」に人類共通の騎士魂を見る監督:紀里谷和明配給:KIRIYA PICTURES/…

  6. 「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」

    「檻」に入れられた人間の尊厳 監督:ニキ・カーロ原作:ダイアン・アッカーマン配給:ファン…

  7. 「海辺の家族たち」

    高台に築いた見晴らしの良い家に宿るフランス版「新しき村」の理想と終焉監督・脚本:ロベール・ゲ…

  8. 「ラヴレース」

    「イヤ」と言えないすべての女性に~今語られる「ディープスロート」の真実~…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の映画レビュー

PAGE TOP