menu

「グランドピアノ ~狙われた黒鍵~」

©NOSTROMO PICTURES SL / NOSTROMO CANARIAS 1 AIE / TELEFONICA PRODUCCIONES SLU / ANTENA3 FILMS SLU 2013

諧謔と欲望の「キー」を突き止めるのは誰だ?

監督:エウヘニオ・ミラ
配給:ショウゲート
封切:3月8日(土)より新宿シネマカリテほか全国ロードショー
公式サイト: http://grandpiano-movie.jp/

【ストーリー】
トム・セルズニック(イライジャ・ウッド)は5年ぶりのコンサートに向っていた。有名女優の美人妻・エマ(ケリー・ビシェ)も、この日の復活を待ち望んでいた。コンサートは、トムの師匠であり鬼才と呼ばれたパトリックの追悼のためのもので、用意されたグランドピアノはパトリックの遺品。通常より黒鍵が多い特殊な代物である。かつてパトリックに並ぶ天才と言われながらこのピアノを弾いて失敗し、それ以来ステージ恐怖症になったトム。もう一度失敗したら、もう後がない。そんな状況で、彼は意を決して弾きはじめる。が、演奏が進み楽譜をめくると、そこにはありえない走り書きが!「一音でも間違えたら、お前を殺す!」「助けを読んだら眉間を撃ち抜く!」恐ろしい緊張の中で1曲弾き終えたトムに、姿の見えない脅迫者は、5年前に失敗した難曲「ラ・シンケッタ」を弾くよう要求する。

【みどころ】
監督のエウヘニオ・ミラが音楽家でもあることから、コンサートの描写に手抜きがない。特に、イライジャ・ウッドのピアニストぶりが見事である。ただ、音楽や芸術を追求した映画ではなく、あくまで「謎」を追いかけるサスペンス映画。主人公がいかに危機をかいくぐり、崖っぷちから這い上がっていくか、謎の脅迫者の要求にどうこたえていくのか、脅迫者の魔の手から、妻は、友人は、守られるのか。コンサートという限られた時間と空間で行われる駆け引きでスリル、スリルの連続を切り抜けるうち、トムは自信を取り戻していく。そして、本当の主人公は「グランドピアノ」。その中に仕掛けられた知性と欲望の「キー」が、最後の最後に姿を現す。

【初出:仲野マリの気ままにシネマナビonline 2014年3月21日(再録に際し加筆修正)】

「ラヴレース」

ゲキ×シネ「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックⅢ」

関連記事

  1. 「母の聖戦」(原題「市民」)

    弱き者、汝の名は女。立ち上がれ、行方不明の娘のために監督:テオドラ・…

  2. 「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」

    心を病んだ天才ミュージシャンの20年後監督ビル・ポーラッド配給:…

  3. 「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」

    出版人が捨て切れぬ、作家になる夢監督・脚本:フィリップ・ファラルドー…

  4. 「スワン・ソング」

    ゲイカルチャーに乾杯!~老いてなお、自分らしく生きる~監督・脚本・プ…

  5. 「ライ麦畑で出会ったら」

    サリンジャーに会いに行く! いじめられっ子一世一代の大冒険監督:ジェーム…

  6. 「幸せのありか」

    僕の幸せは、僕だけが決められる!監督・脚本:マチェイ・ピェブシツア配…

  7. 「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」…

    なぜユダヤの男児は教皇に連れ去られたのか?監督:マルコ・ベロッキオ…

  8. 「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命…

    「檻」に入れられた人間の尊厳 監督:ニキ・カーロ原作:ダイアン・アッ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP