気骨のドキュメンタリー監督が支えたスノーデン事件の一部始終
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ
配給:ギャガ・プラス
公開:6月、シアター・イメージフォーラム、新宿ピカデリーほか
公式サイト:http://gaga.ne.jp/citizenfour/
【ストーリー】
イラク戦争やグアンタナモ収容所についてドキュメンタリーを製作する気鋭の映画監督ローラ・ポイトラスは、ある日一通のメールを受け取る。発信者は「シチズンフォー」と名乗り、国家による国民の個人情報無断収取を告発する用意があること、そしてすべての資料をローラに渡すと言う。それが世界を揺るがす「スノーデン事件」の幕開けだった。
【みどころ】
元CIA職員のエドワード・スノーデンが、内部告発後ロシアに亡命した2013年の事件は記憶に新しい。彼がマスコミに名前と素顔を公開したことも衝撃だった。この映画は本物のスノーデンが本物のポイトラス監督に自分の命運を預けたとき、たとえ抹殺されても告発の証拠が残るよう、オンタイムで記録したものである。いかに政府の手を潜り抜け内部告発を成功させるか。メール一つ送るのにも最新の注意を払い、綿密な計画の末行動しつつも、突然の火災報知器のベルに追手が来たかと慄然とする緊迫感に手に汗握る。
《追記》
この事件をフィクションとして映画にしたのが「スノーデン」(2017年)である。同じような描写がどのように描かれているか、比べてみるのも面白い。
【初出・Wife375号 2016年5月 文/仲野マリ】
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