コロナ禍で求めたのは、ほんのささやかな幸せだった
監督・脚本:中村真夕
製作・配給:ティー・アーティスト
公開:11月26日(土)よりユーロスペースほかにて全国順次ロードショー
公式サイト:watakano4.com
【構成とみどころ】
コロナ禍で人と人とのふれあい・つながりが希薄になる中で、人間は誰に何を求めているのか。生きづらさを抱えた孤独な人々に焦点を当て、淡々とした日常に潜む落とし穴を描くオムニバス映画である。
第一話『4人のあいだで』
夜の公園で同窓会かと思いきや、実はそれぞれが異なる場所からのリモート会であるところが今どきの設定だ。親しいようで孤独であり、オープンなようで秘密がある関係がリアル。
第二話『ワタシを見ている誰か』
Uberを使う人と届ける人に生じる関係を描いている。立場の逆転がスリリング。
第三話『ゴーストさん』
コロナ禍によって生計を立てるのが困難になった人たちが交差する。2020年11月、路上生活者の女性が殴られ死亡した実際の事件にインスパイアされて製作されたもの。
第四話『だましてください、やさしいことばで』
オレオレ詐欺に始まって、人の親切心や人情につけこんだ犯罪は手を変え品を変え頻発し、とどまるところを知らない。大きな詐欺グループの中で、受け子となる人間だけが、被害者と顔を合わせる。その接点から生まれる感情をすくいとる小品。
【初出:Wife401号 2022年11月、加筆の上公開 文/仲野マリ】
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