menu

「沈黙-サイレンス-」

©2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.

遠藤周作の「踏み絵」をめぐる小説を
スコセッシ監督が完全映画化

監督:マーティン・スコセッシ
配給:KADOKAWA
公開:1月21日より全国で公開
公式サイト:http://chinmoku.jp/

【ストーリー】
ポルトガルの司祭ロドリゴは、尊敬する宣教師棄教の真実を確かめるべく、海を渡り日本にやってきた。時は島原の乱直後。江戸幕府のキリシタン弾圧は熾烈を極め、かくれキリシタンたちは次々と拷問・処刑されていく。そんな中、易々と踏み絵を踏み仲間を売るキチジローの存在は、ロドリゴに嫌悪感を催させた。(1月21日より全国で公開中)

【みどころ】
日本の小説家・遠藤周作の原作を読んで救われたというスコセッシ監督が、28年かけて丁寧に取材し、忠実に映画化したのがこの作品だ。隣人への愛を説きながら、隣人を救うことより神への愛を優先しろという教えに真っ向から向き合い、「宗教とは何か」「信仰とは何か」そして人間の弱さを描く。キーパーソンはキチジロー(窪塚洋介)だ。生きるために「踏み絵」を踏んでは、性懲りもなくまたキリストを強く求める。「ぶれない」生き方に神聖さを感じやすい日本では、戦時中、反政府運動で捕まり「転向」した者は、拷問に耐え切れなかったり家族への危険回避のためやむを得なかった場合でさえ、当然のように軽蔑される運命にあった。そうした風土にあって、キチジローの往生際の悪さ、嘘のつき方はあっけにとられる。が、ぶれずに死んでいくのと、何度でも返り咲くための方策をとるのと、どちらが上でどちらが下といえるのだろうか。君が代斉唱拒否と信条の自由・内心の自由の問題も考えさせる。窪塚以下、日本人俳優が熱演。特に奉行役イッセー尾形の怪演が光る。

【初出:Wife378号 2017年5月 文/仲野マリ(再録に際し、加筆修正)】

「kapiwカピウとapappoアパッポ~アイヌの姉妹の物語」

「スノーデン」

関連記事

  1. 「ヴェラは海の夢を見る」

    夫が死んでわかった「遺産は全部甥のもの」の理不尽監督:カルトリナ・ク…

  2. 「ラスト・ナイツ」

    「忠臣蔵」に人類共通の騎士魂を見る監督:紀里谷和明配給:KIRI…

  3. 「タリ―と私の秘密の時間」

    ワンオペ育児の救世主は不思議なベビーシッター監督:ジェイソン・ライトマン…

  4. 「スノーデン」

    愛国者はなぜ国を弾劾したのか監督:オリバー・ストーン公開:1月27日…

  5. 「イニシェリン島の精霊」

    親友に拒絶された男 その孤独と悲しみと愛の行方監督/脚本:マーティン…

  6. 「スターリンの葬送狂騒曲」

    あなたは究極の“忖度”が生んだ恐怖政治を、笑い飛ばせるか?監督:アーマン…

  7. 「愛して飲んで歌って」

    3組の夫婦と1人の男が織りなす熟年恋愛の寓話監督:アラン・レネ原…

  8. 「ベネシアフレニア」

    エッジーな狂気と笑いで描くヴェネチア観光案内〜バチェロッテパーティーの夜…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP